私のシモリウキ釣り (2017年9月21日) 

ハゼの釣り方はミャク釣りとウキ釣り(シモリウキ)に分けられます。私の好みはウキ釣り
ですが、ミャク釣り人口の方がおそらく圧倒的に多いであろうし、どちらが良く釣れるか?
と問われたならば、私自身迷わずにミャク釣りに分があると答えます。同じ時間、同じ魚影で
あれば、錘が着底するまでの時間を考えただけでもミャクの方が振り込み回数において圧倒的
に有利であり、水深が有れば有るほどその差は顕著になります。
ハゼの前アタリや、乗り、もたれ、などという独特の用語はミャク釣りにおいて発生し、
そもそもハゼ釣りではウキはマイナーと言えます。江戸の侍医、人見必大も「・・・釣るには
鉤の上二・三寸のところに鉛錘一箇をつける・・・」と書いていますし、当時の浮世絵を観ても
仕掛けはほぼミャク釣りのようです。
ウキ(シモリウキ)釣りについて、あくまでも私の場合について書いてみたいと思います。
初期から秋の彼岸を経て10月頃まで、水深50〜2m程度での陸っぱり(江戸川放水路桟橋も
陸っぱり)を想定しています。

<シモリウキの形>
シモリウキには球形とナツメ形があります。気分次第でどちらも使っています。ウキに伝わる
微妙な動きは、どこから見ても同じ形の球形よりも、ナツメの方が分かりやすい時があるかな?
と思う程度の印象です。

<錘の調整>
錘の負荷がウキの浮力に勝ることが絶対条件となりますが、基本は仕掛け全体がゆっくり沈む
(遅シモリ)ように調整しています。釣り場では早く釣りを始めたくて心が逸りますから、
釣行日までに予め風呂場で錘を調整しておき、必要に応じて釣り場で微調整します。錘は板錘を
使うことが微調整には必須になります。0.17〜0.2mm厚が使い良いです。浴槽の50cm程度の
深さを着底まで約2秒かかるくらいにしています。湾内、港(舟溜り)や江戸川放水路など、
流れ(横の動き)がなく、基本的に干満(縦の動き)だけの釣り場ならば、感度の良い遅シモリ
にすべきだと思います。

<シモリウキの個数と位置>
5個としています。一番上は他の4個に比べて若干大きめにしています。(写真はマブナ釣り用の
親ウキをハゼ釣り用として一番上で使っていますが、このようなウキを使う必要はありません)



5個であれば50cmくらいの浅場でもウキを総て沈めて対応できますし、2m程度の深場でも
対応可能です。個数が少ないと深場での対応が難しく(浮力に欠けるので水中で揺れてしまう)、
多いと浅場での対応が難しくなります(ウキを総て沈められない)。シモリウキは爪楊枝の
先を下側の穴に差し込んでカットしています。いろいろ試しましたが、私には爪楊枝での固定が
一番楽です。ウキをスライドさせて位置調整する際は、水や唾で濡らさないと摩擦で道糸が
カールするので注意が必要です
ウキは総て沈めています。一番上のウキは水面から数〜10cm沈めています。(逆光や沖狙いで
ウキが見えないような場合、一番上のウキが多少水面に出る程度に調整することはあります)
ウキを総て沈める理由ですが、それを前提で遅シモリになるように風呂場で錘調整しているから
です。それにもかかわらず、ウキをいくつか水面上に出してしまっては、早シモリになってしまい、
錘調整した意味が全くなくなります。ウキの間隔は水深によって調節するので何とも言えませんが、
1mくらいの水深なら5cm〜10cmでしょうか(特に決め事ではありません)。

<アタリやさわりの確認>
複数のシモリウキの中で一番早く変化が現れるのは錘に最も近い一番下のウキです。なので、
一番下のウキ(見えなければ、見える範囲で一番下のウキ)を見ています。デキハゼの頃はウキを
ピュ〜ンと一気にひったくる様に元気な反応が出ますが、これはミャク釣りでいうブルブルの時
(餌を吐き出す時)なので、バレる確率が高く、そうなる前に合わせる必要がありますが、一番上
のウキを見ていては遅れる確率が高いです。秋の彼岸を迎え、その後季節の進行とともにアタリは
益々微妙になります。一番下のウキ(もし見えなければ、見える範囲で一番下のウキ)に何がしか
違和感を感じたら迷わず合わせます。結果的に空振り(空合わせ)になっても良いのです。
兎に角迷わず合わせることです。一番上のウキに反応が出る頃には既に鉤を飲み込んでいることが
多いです。鉤を飲まれると言うことは、内蔵や鰓に傷が付いてハゼがその内死ぬことを意味します。
間違い無く死にます。新鮮な状態を保つためにも鉤を飲み込まれない釣りを心がけた方がベター
だと思います。死んでしまったら身が濁り鮮度もがた落ちですので、鉤を飲んでしまったハゼは
死ぬ前にその場で頭と内臓を処理して氷でしめれば良いです。これはスレ掛かり(鉤が口以外の
場所に掛かること)で鰓やお腹に掛かってしまった場合も同様です。ほぼ死んでしまうので同様に
処理をすれば良いと思います。私はスレ仕様の鉤を使っています(真のスレ鉤ではなく、返しを
潰している)。餌はもっぱらボイルホタテを使っていますが特に問題は感じていません。

<水面上の道糸>
ミャク釣りは「脈を取る」訳ですから糸電話のように道糸全体を張らねば釣りになりません。
ただ、常に糸を張っているので、合わせはウキ釣りよりもタイムリーに出来る点が有利です。
ウキ釣りはミャクに比べて元々合わせが遅れる釣りだと思います。合わせの遅れは、バラシや
逆に鉤を飲み込まれたりと良いことがありません。ウキ釣りでは水面下の道糸(水中糸)は錘の
負荷とウキの浮力によって、或る程度張られているが、水面から穂先までの道糸(空中糸)も
竿を立て気味にして出来るだけ弛みを軽減します。合わせは道糸が一直線になって初めて効く
訳ですから、竿先を下げて空中糸が弛んでいると、素早く合わせたつもりでもタイムラグが
発生し、遅れてしまいます。バラシか、或いは鉤を飲み込まれることに繋がりかねません。

<竿>
激しい合わせに付いてこられる調子が良いと思います。軟調よりも硬調、硬調よりも硬硬調
です。胴調子よりも先調子の方が好きです。実は柔らかい竿を使うとハゼの引きを存分に
楽しめてとても面白いものです。私もハエ竿を使っていた時期があり、竿が弓のように撓って
とても面白かったが、バラシも多く、或いは鉤を飲み込まれることも多かった。これはやはり
合わせに対する竿のアクションが鈍いことが原因だと思います。その後は出来るだけ硬い竿が
良いと思うようになり、今では「
ハゼのウキ釣りは引っ掛ける釣り」である、という結論に
至っています。とにかく何かしらウキの変化を感じたら、積極的にシャープに「バシっ!」
と合わせる。秋以降はハゼのアタリが出難い上に、成長とともに頭部特に唇や顎がどんどん
硬く頑丈になるので、シャープな合わせで鉤を貫通させ確実に釣り上げる事を心がけています。
それで行き着いたのが、中通しのハゼ竿です。和竿など持てる身分ではありませんので、
カーボンの中通し竿ですが、錘負荷1.5〜3号の舟用なので非常に硬く、秋以降はこの竿で
引っ掛けるようにして遊んでいます。

<鉤素(ハリス)>
仕掛けですが、道糸の先端に鉤素止めを括り、鉤素を挟んでいます。鉤素止めの上の道糸に
板錘を巻くという極めて単純な構造です(板錘が巻き易いようにと、鉤素止めの上側5〜7cm
ほどの道糸は二重に撚っていますが、これは好みの問題です)。鉤素は非常に短く2〜3cmと
しています。



シモリウキ仕掛けはウキに何らかの変化を見取るわけですが、ウキはどうして動くのか
(変化が現れるのか)というと、それは錘の動きがウキに表現されるからです。所謂前アタリや、
秋口以降に現れるもたれ(乗り)、居食いなどという行動は鉤素が長いと全く以って分かり
ません。従って、ハゼの行動によって錘が少しでも動くべく、鉤素を短くしているという事です。
鉤素は柔らかいナイロンではなく、硬くて突っ張るポリエステルを素材としたゴーセン社の
ホンテロンという商品を使用しています。鉤素を短くするもう一つの理由は、合わせのタイムラグ
を少しでも短縮するためです。ウキ釣りは只でさえ、ミャク釣りよりも合わせのタイミングが
遅れますのでそれを少しでも克服するがためです。

それにしても、写真に写る我が手の甲を見て、歳をとったなぁ〜と愕然としました(@_@;)


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