「ホンテロン」という名前に出会ったのは、2006年の月刊「つり人」のマブナ釣りの記事に
掲載されていた仕掛けの写真です。数名のマブナ釣師の仕掛け紹介で、ある方の仕掛けに
ホンテロンが使われていました。「ハリスにはホンテロンを使用しています」という簡単な
文章が添えられていました。ハリスがピンと張った如何にも感度が良さそうな仕掛けの写真に
衝撃を受けたものの、当時はもっぱらハリス付き鉤を買っていたので、使用することもなく
時が過ぎていきました。
そして私が実際に「ホンテロン」を使い始めた時期は特に自覚していないが、2009年には
使っている写真がありますので、その頃なのでしょう。ハリス付きを買わなくなり自分で
ハリスを巻くようになった頃と重なります。それ以降は、ハゼもマブナもホンテロン使用
です。
ホンテロンはゴーセン社の商品名です。ゴーセンとは合成繊維の略で、日本毛織と言う
伝統ある合成繊維メーカーの傘下にあります。ホンテロンの定価は900円ですが、実勢
価格は650円前後のハリスです。素材はポリエステルで、その特徴は硬さがあること、
張りが有って伸びが少ないこと、糸癖やカールしても指でしごけば元通りにピンと伸ばせる
こと等が挙げられます。これらの特性は柔らかいナイロンのハリスよりも仕掛けの感度向上に
繋がっているのではないかと推測します、あくまでも推測です、ただ、確実に言える事として、
ナイロンのようにカールが発生してヨレヨレになることが無いので、ハリス(鉤)交換の手間が
省けるということです。ポリエステルは強度的にはナイロン水準ですが、張りが有って伸びが
少ないということは、衝撃的な負荷がかかると切れやすいという事でもあります。私の常用は
0.6号ですが、竿を一気にあおると意外と簡単にプチッと切れます。これは障害物や牡蠣殻などに
激しく根掛かりした場合でも、仕掛けを傷めることなくハリスを意図的に切る事ができると
いう事であって、寧ろメリットになっています。柔軟性のあるナイロンではなかなかこうは行き
ません。
以上、ホンテロンの特徴と、良いと思われるところを書いて来ましたが、普通に売られている
ナイロンハリス付きの鉤でさっぱり釣れない環境下、同じ人がホンテロンのハリスを使えば釣れる
などと言うことはまずありえません。
確かにホンテロンは特徴のあるハリスです。けれど、釣果という実質的な結果を考えた時に、
ナイロンハリスと比べて果たしてどれだけ違うのか?と問われれば具体的な事例を示す事が
できません。事実、どこそこの名人などと呼ばれている方々でホンテロンを使っているという
話は聞きません。まぁ、趣味の世界は拘りの世界ですから、本人が気に入って使っていれば
それで良いと思うのです。あくまでも、あくまでも所詮趣味の世界です。


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ホンテロン    2017年9月12日                    

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